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【目次】スケートシューズの選び方
「説明の前に、先に商品を見たい!」 という方はこちら
はじめに
「スケートボードを始めるにあたってスケートボード専用のシューズを履いた方が良いですか?」 「普通のスニーカーとスケートシューズはどう違うのですか?」 「どのブランドを選べば良いですか?」 といった質問をお客様から受けることが多いので、スケートボードのシューズの特徴と、各スケートシューズブランドについてご説明していきたいと思います。
サッカー、野球、テニス、バスケットボールのように、そのスポーツの用途に合わせて各ブランドが研究を重ね、専用のシューズがリリースされています。
スケートボードに対しても同様で、各ブランドから様々なスケートシューズが発売されています。
スケートシューズは基本的にボードの感覚がつかみ易い平らなソール(靴底)が多く、グリップ力にも優れています。
トリックをする際、シューズを常に擦るので、アッパー(足の甲を覆うシューズの上半分)は破れ憎いスエード生地を使用しているモデルが多いです。
また、衝撃に強いインソール(中敷き)を使用しているモデルが多い傾向にあります。
【スケートシューズのソールについて】
スケートシューズは大きく分けて2つのソールの製法があり、バルカナイズドソールとカップソールから選べます。
【バルカナイズドソール・VULCANIZED SOLE】 とは?
アッパーとソールをテーピングで巻いて付ける方式。
バルカナイズドソールはシューズ本体とソールの間にまだ固まっていないゴムをはさみ、高温で圧力を加えながら硫黄等の加硫剤を加える事で、ゴムを硬化させてスニーカーを接着し、フォクシングテープというラバーテープでサイド部分を一周させる製造方法です。
この製法で作られているシューズはシンプルなデザインのモデルが多く、後述するカップソールに比べて薄くて柔らかくグリップ力があり、*ボードフィーリング(スケートボードの感覚)がつかみ易いですが、カップソールに比べると衝撃や耐久性が弱くなります。
【ボードフィーリング・スケートボードの感覚】とは?
目で見ずに、足の裏でスケートボードのエッジ部分や、足の位置などが分かる感覚。
バルカナイズドソールを用いた代表的なシューズは、VANS, EMERICA, CONVERSE / CHUCK TAYLOR, POSSESSED など。
【カップソール・CUPSOLE】 とは?
アッパーにソールをはめ込んで付ける方式。
カップソールは既に靴底の形状をしたソールをアッパーに包み込むようにはめ込み、縫い合わせたりボンドで付ける製造方法です。
カップソールはバルカナイズドソールに比べて分厚くて硬いため、衝撃や耐久性に特化していますが、バルカナイズドソールに比べると分厚い分ボードフィーリングが弱くなります。
カップソールを用いた代表的なシューズは、ES / ACCEL, ETNIES, ARETH, NIKE / DUNK など。
【まとめ・バルカナイズドソールとカップソールの選び方について】
上記で細かく説明しましたが、ボードフィーリング(スケートボードの感覚)を重視したい方はバルカナイズドソール、耐久性を重視したい方はカップソールをお選び下さい。
当店のシューズ・商品ページの説明文には、各モデルどちらのソール仕様か記載しておりますので、そちらでご確認頂けます。
【各スケートシューズブランド、特徴について】
各ブランドがバルカナイズドソールやカップソールのモデルをリリースしてますが、それぞれのブランドのテクノロジーや特徴について説明していきます。
【ADIDAS SKATEBOARDING・アディダス スケートボーディング】
言わずと知れたドイツのシューズブランド ADIDAS(アディダス)。
古くからスポーツシューズを作り続けて培ってきた技術を1997年からスケートボードの世界にも向ける。
アディダスの看板シューズ CAMPUS、SUPERSTAR、STAN SMITH、を軸にスケートボード用に大幅に改良され、世界中のスケーターの支持を集めているスケートボードシューズです。
アディダスが携わってきた様々なスポーツに開発した長年の技術をスケートボードのシューズにも搭載しています。
衝撃を和らげるアディプリンクッショニングや BOUNCE ミッドソールはアディダス史上最高のクッション性と反発性を備えた EVA 素材を使用し、スケートボードに優れた衝撃吸収性と推進力を実現しています。
【ARETH・アース】
ARETH(アース)は日本のシューズブランドで、現在はアメリカにもディストリビューションを置き、世界で展開されている。
2001年よりシンプルかつオリジナリティのあるデザインを追求し、履き心地の良い素材や質感、耐久性にこだわり、長く愛される物を、自分達の考え、ライフスタイルに合う、より地に足のついた 「あしもと」 の提供を目指しています。
アースという名前の由来は、We are…の 『are』 と 4th・5thなどの順番を表す 『th』 との組み合わせで、簡単に言うと 『自分たちの番』 、そして EARTH 『地球』 という意味合いを込めています。
耐久性を考え、スケートボード時に消耗が激しいつま先部分のステッチを少なめにし、耐久性と柔軟性を兼ね備えた上質なカウスエードを使用し、ストリートでのハードな使用にも対応。
振動吸収素材 PORON をインソールに搭載しており、衝撃にも強いシューズです。
【CONVERSE SKATEBOARDING・コンバース スケートボーディング】
2018年、国内初となる日本限定のスケートライン、CONVERSE SKATEBOARDING(コンバース スケートボーディング)。
本格仕様の 「+ SERIES」 と 基本スペックの 「STANDARD SERIES」 が存在する。佐川海斗、伊藤慎一、砂川元気、廣瀬祐樹、ら4名のスケーターをサポートし、更に2019年より TIGHTBOOTH PRODUCTION(タイトブース プロダクション)を手がける上野伸平も正式加入。
トゥスプリングを低めに設定し接地感を向上させ、優れた安定性を実現。
耐久性を上げるためトリック時に接触の多い箇所をスエードやラバー等で補強。
「+ SERIES」 には REACT HD という2層構造の衝撃吸収性の高いインソールを使用している。
【DC SHOES・ディーシーシューズ】
KEN BLOCK と DAMON WAY(プロスケーター、DANNY WAY の兄)により1993年創業。
瞬く間にスケーターの足元へ浸透した、言わずと知れたシューズブランド、DC SHOES CO(ディーシー シューズ)。
前身のアパレルブランド、DROORS CLOTHING の頭文字からブランド名が名付けられたと言われている。
常に最新のテクノロジーを用い、スケートシューズのみならず、アパレル、スノーボードブーツ、アクセサリーと今も尚その幅を広げている。
独自に開発したスーパースエードは通常のスエードと同様の履き心地をキープしながら強度を約50%アップ。
衝撃性を考え独自に開発された IMPACT G がスケートボード時の負担を軽減してくれます。
【EMERICA・エメリカ】
1996年に始まったスケートシューズブランド EMERICA(エメリカ)。
ETNIES、ES、の兄弟ブランドであり、全てを生産する SOLE TECHNOLOGY 社のスケートボーダーの為に進化し続ける技術が詰まってます。
リアルで男臭いブランドイメージを崩す事なく常にシーンのトップを走り続けています。
日本のロックバンド、MAN WITH A MISSION(マンウィズアミッション)も愛用していることで、スケーターのみならず一般層からも絶大な支持を得ています。
独自に開発した G6 インソールにより耐久性、軽量化、ボードフィーリングの全てに特化。
トライアングルトレッドというアウトソールのパターンにより耐久性をアップ。
更に FLICK SHIELD と呼ばれるゴム製のラバーがスエードの下に搭載されていてスケートボード時に消耗する部分の耐久性が向上しています。
【ES FOOTWEAR・エス フットウェアー】
ES FOOTWEAR(エス フットウェアー) は、Pierre Andre の手によって1995年にスタートした ”テクニカルなスケーターのために” をコンセプトにした、スケートシューズブランド。
SOLE TECHNOLOGY 社傘下の ETNIES、EMERICA、らの姉妹ブランドで、スタート当初からライダー達と共に開発したテクノロジー(技術)を惜しげもなくスケートシューズに注ぎ込んだ。
ERIC KOSTON、TOM PENNY、CHAD MUSKA、RONNIE CREAGER、RICK McCRANK、BOB BURNQUIST、ARTO SAARI、RODRIGO TX、PAUL RODRIGUEZ、などらスーパーライダー達がエスの歴史を築き上げてきた。
2011年、”GONE SKATING(スケートしに出ます)” の広告と共に一度ブランドは解散したが、世界中からの復活を願う声があり、名作 “ACCEL(アクセル)” と共に2014年に復活。
スタート当初と変わらないコンセプトで現在に至る。
独自に開発した ENERGY FOAM MIDSOLE と STI ENERGY FOAM により高い衝撃吸収性を実現。
更には STI Everstitch の技術によりアッパー生地の通気性、柔軟性、耐久性が向上。
常にスケートボードのために新技術を取り入れていてスケーターの足を支えてくれています。
【ETNIES・エトニーズ】
ETNIES(エトニーズ)はスケートボーダー、Pierre-Andre(ピエール・アンドレ)の手によって1986年に設立された初めてのスケーターによるスケートシューズブランド。
世界初、スケーターのプロモデル(NATAS KAUPAS)をリリースしたり、コーポレーション(企業)ではなく常にスケートボードの為に、をコンセプトにしている。
2003年にブランドが位置するアメリカ・カリフォルニア州レイクフォレスト市と共同し、3,700平方メートルという巨大なパブリックスケートパークをスケートボーダーの為にオープンさせた。
30年を超えた今も全くブレないスケートシューズブランド。
エトニーズはタイヤメーカーの MICHELIN との共同開発により生まれた MICHELIN ソールにより今まで例を見たことがないほどの耐久性とグリップ力を実現。
更には STI EVOLUTION FORM により、軽量で衝撃吸収に優れたミッドソールによりヒールブルーズ (衝撃から起こるかかとのあざ)や着地時の衝撃から足を守ってくれます。
【LAKAI LIMITED FOOTWEAR・ラカイ リミテッド フットウェア】
カリフォルニア州、トーランス発信、GIRL SKATEBOARDS (ガールスケートボード) のプロ、RICK HOWARD(リック・ハワード)と MIKE CARROLL(マイク・キャロル)が手がけるスケートシューズブランド、LAKAI LIMITED FOOTWEAR(ラカイ リミテッド フットウェア)。
スケーターによるスケーターの為のスケートシューズを1999年よりリリースし続けている。
独自に開発した PARA-MOUNT VALCANIZED SOLE には、かかとにクッションが内蔵、そしてソールのデザインパターンによりグリップ力を向上。
XLK と呼ばれるカップソールのテクノロジーは、カップソールの良さを保ちながらサイドを削り無駄なゴムを排除することで軽量化。
ゴム素材を注意深く配合し、アウトソールにヘリンボーンのトレッドパターンと縦にラインの溝を入れることで柔軟性を実現。
しかも足の裏でボードをしっかりと感じることができるため、ボードコントロールの向上にも繋がる。
更に2018年から導入された DELUX LITE INSOLE により、かかと部分のアーチを深くしフィット感が更に向上。
薄くて丈夫なゴム性の素材をオーリー時に擦れるスエードの下に入れることで耐久性が向上しています。
【LAST RESORT AB・ラストリゾートエービー】
POLAR SKATE CO.(ポーラー スケートボード)を手掛ける、PONTUS ALV(ポンタス・アルブ)のシューズプロジェクト、LAST RESORT AB(ラストリゾートエービー)。
企業の支援は無く、全て自分達(スケートボーダー)で発信する、スケートボーダーの為のスケートシューズブランドです。
シンプルで飽きのこないデザインが特徴で、広範囲に渡るテストと開発によりスタイルは損なわず、機能性の高いシューズを実現。
優れたグリップと安定性を備え、全ての角度から砂利などが侵入しないソールパターン。
フォキシングテープの厚さ、高さをミリ単位で調整し、優れた柔軟性とボードフィーリングを確保。
オーリー等による磨耗の激しいパネル部は二重ステッチにより補強、つま先側面にはラバーオーリーガードが内臓されています。
【NEW BALANCE NUMERIC・ニューバランス ヌメリック】
言わずと知れた1906年設立のランニングシューズブランド、NEW BALANCE(ニューバランス)から発信されるスケートボードライン、NEW BALANCE NUMERIC(ニューバランス ヌメリック)。
2013年より始動し、100年以上培った技術をスケートボードシューズに注ぎ込み、多くのトップスケーターの足元をサポートしている。
長年のランニングシューズの知識をスケートシューズにも搭載していて、独自に開発した ABZORB インソールにより高い衝撃吸収を実現。
更にスケートボード時に摩擦で消耗しがちなつま先部分がシームレス(縫い合わせがない)なシューズが多く、破れにくくなっている。
オーリーガードが付いているモデルなど常にスケートボードシューズとして工夫されています。
【NIKE SB・ナイキ エスビー】
1964年創業、言わずと知れたアメリカのシューズブランド NIKE(ナイキ)。
そのナイキが持っているテクノロジー(Zoom Air など)を注入し、定番モデル DUNK LOW(ダンク ロー)をベースにスケートボードに特化したシューズを2002年からスタートさせた、NIKE SB(ナイキエスビー)。
同時に多くのトップスケーターをサポートし、Nothing But The Truth(2007)、Debacle(2009)、SB Chronicles Vol. 1(2011)、Vol. 2(2013)、Vol. 3(2015)、TRUST FALL (2019)、GIZMO (2019)、などといった映像作品をリリースし続けている。たくさんのスポーツ選手の足元をサポートしてきた経験と技術をスケートシューズにも搭載し、独自に開発した ZOOM AIR により衝撃吸収性を向上。
更に HYPER FEEL は 「フレックスグルーブ」 と呼ばれる多方向の溝によって靴の裏全体が柔らかくなり、足の裏の動きと同一化させている。
デッキとの感触をキープしながら、かかとなどへの衝撃から足を守ってくれます。
【POSSESSED SHOES・ポゼスト シューズ】
2016年設立、日本発信のドメスティックシューズブランド、POSSESSED SHOES(ポゼスト シューズ)。
日本人の足に合ったフィット感、ボードフィールを大切にしたバルカナイズドソール、耐久性の高い2層式のアッパーなど、スケートシューズ作りに徹している。
オーリーにより削れやすいサイド部分が2層構造になっていて耐久性が高く、穴が貫通しづらい仕様になってます。
さらに独自のインソールは温まると柔らかくなるウレタンの特性を考慮し、着用時に体温で温まり柔らかくなった時の硬さを基準に硬度を設定しています。
シンプルなデザインの中にクッション、発散性、スケートボードに乗った時に足で感じるボードフィール(スケートボードの感覚)に徹底的にこだわっています。
【VANS・バンズ】
1966年、カリフォルニア州・アナハイムにてデッキシューズブランドとして設立した、VANS(バンズ)。
グリップ力の強いバルカナイズドソールに惹かれ、1970年台から多くのスケーターたちに愛用されることとなり、スケートシューズとして浸透していった。
リリースされるモデルは全て名作、スケーターのみならず世界中の人達から支持されている。
創業当初からスケートシューズを作っており、そのバンズの代名詞とも呼べる WAFFLE SOLE (ワッフルソール)はスケーターから絶大的な支持を誇るグリップ力とボードフィールを実現。最近では POPCUSH インソールにより衝撃性と反発性にも優れ、スケート時の足への負担を軽減。
スケート時に消耗しやすいつま先からオーリー部分にラバーの生地がアッパーの下に入っている DURACAP により耐久性も向上しています。
【まとめ・スケートシューズの選び方について】
スケートボード用品で、ボードの他に乗り心地を大きく左右するのがスケートシューズです。
以上のように各スケートシューズブランドが生産するシューズは、スケートボードに特化しています。
それぞれのブランドが各々の経験とライダーからのフィードバックを生かし、グリップ性、耐久性、衝撃性、柔軟性、そしてボードフィールに力を注いでいます。
一般的なシューズでのスケートボードは怪我にも繋がる恐れがありますので、「スケートボードにはスケートシューズを」 強くおすすめいたします。
是非、参考にしてみて下さい。
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